1オーディション企画書
タイトル
やりきる力は「1+1」から
サブタイトル
― 決める力は計算で育つ ―
著者略歴
17年以上にわたり公文式教室を2教室運営し、約2000名の子どもと向き合ってきた。
現在は二教室合わせて百数十名が在籍。2歳から大人まで幅広い世代が通い、5年以上継続する生徒も多い。
学習の遅れを抱える子、発達課題のある子、机に向かうこと自体が難しい子どもも受け入れてきた。
教室に「落ちこぼれ」という概念はない。あるのは、その子に合った段階がまだ見つかっていないという事実だけである。
難関市立中高一貫校や公文国際学園への合格者を多数輩出し、全国公文教室の中で合格者数1位となった年もある。しかし著者が意識してきたのは合格実績ではない。
「速く正解を出す力」と同時に「自分で考える力」「人生を生き抜く力」を育てることだった。
困難や孤独を抱える子どもとも数多く向き合ってきた。
小さい頃に教室に通っていた生徒が若くして命を絶ったと知ったときは、教育の重みを自らに問い直し続けた。
あのとき、もっと確かな土台を積み上げられていたら何か違ったのだろうか…
その自問は今も心の奥に残っている。
そして本音をいえば、基礎を曖昧にしたまま子どもを社会へ送り出すのはこわいと考えている。その思いが本書執筆の静かな原点である。
国立大学教育学部自然系卒業。幼稚園・小学校・中学校(数学)の教員免許取得。
卒業後は金融系大規模システム開発に携わるシステムエンジニアとして勤務。
速度と最適化が徹底されるITの現場で、ブラックボックス化が進み、「なぜそうなるのか」を深く考えなくても成果が出る社会に変わっていくのを目の当たりにした。その経験は、便利さの裏で思考の過程が外部化されていく危うさへの問題意識へとつながっている。
デジタル社会と教育現場、両方を経験した立場から、効率化が進む時代にこそ自分で「やりきる経験」を設計する教育の重要性を問い続けている。
昨年は町の100周年記念事業として著作家・山口周氏、下間都代子氏を招き「100年後の子どもたちに必要なこと」をテーマに講演会を主催。
教育を教室内に閉じず、地域全体で未来を育てる取り組みにも力を注いでいる。
何のための本か?
AIが瞬時に答えを出す時代に、子どもに本当に必要なのは「答え」そのものではない。
答えが出るまで考え続け、やりきる力である。
便利さは私たちを助けた。そして今は、深く考えなくても“それらしい答え”がすぐ手に入る時代になった。自分で考える前に、答えのようなものが先に差し出される環境が広がっている。何を選び、何を基準に決めるのか。そのための自信がほしい。
創造性や主体性は、突然生まれるものではない。
自分の中に確かな基礎があってこそ、問いは深まり、発想は持続する。
だからこそ本書は、あらためて「基礎とは何か」を問い直す。
基礎とは、単なる知識や技能ではない。
迷ったときに立ち戻れるもの。あふれる情報の中で揺らがずに選び取るための、自分の内側の支えである。
本書が目指すのは、点数を上げるための教育ではない。
子どもが自分の人生を引き受け、迷いながらも考え続け、やりきる力をどう育てるか。その問いに、教育現場の実感から答える一冊である。
企画意図・趣旨
では、その基礎はどう育てるのか。
本書が注目するのは「計算」である。
計算は知識量を競う学習ではない。自分のレベルに合った課題に向き合い、逃げたい気持ちを抱えながらも手を動かし、間違え、考え直し、やり直し、最後まで解ききる。その一連の過程を、短い時間で何度も経験できる学習である。
重要なのは、「やりきる」という体験だ。
計算は派手ではない。正解しても大きく評価されるわけではない。しかし、努力と結果のつながりが目に見えてわかる。解けなかった問題が解けるようになる。その小さな変化が、自信の芽になる。
17年以上、約2000名の子どもと向き合う中で見てきたのは、わかっているつもりなのにできなくて向き合えなかった計算が、いつのまにか速くできるようになって楽しむ姿、
「自分でできた」と実感した瞬間に喜びで顔を輝かせる様子だった。同時に、めんどうくささに流され、やりきる経験を持てないまま自信を失っていく姿も見てきた。
差を分けるのは才能ではなく、経験と環境の設計である。-悪いのは子どもではない-
情報を選び取るときの直感のような自信は、派手な成功や他人からの評価で生まれるのではない。本人さえ意識していないような、小さな「できた」の積み重ねの中に宿る。その静かな自信が、揺らがない判断力へとつながっていく。
そのために必要なのは、個々の習熟度に合った課題設定だ。少し背伸びすれば届く負荷を見極め、日々小さな達成を重ねる。すると子どもは、わからなさに耐える力、自分で修正する力、最後まで続ける力を身につけていく。
計算は、その「やりきる力」を最も小さく、最も再現性高く育てられる方法のひとつである。
本書は、競争に勝つための方法論ではない。便利さと即効性が重視される時代に、子どもが自分の人生を引き受け、考え続け、やりきる力を育てる具体的な道筋を提示する。
読者層
・小学生〜中学生の子どもを持つ30〜50代の保護者で、便利になりすぎた社会の中で、わが子に必要な力が育っているのかに不安を感じている層
・大人でも数学をやってみたい人、認知症の不安がある方
・詰め込み教育にも、完全な放任にも違和感を覚え、「主体性はどう育つのか」「本当に必要な学びの土台は何か」を、静かに考え直したいと感じている親
・基礎学力と非認知能力の関係を再考したい、教育現場に関わる指導者や教育関係者
類書
本書は、AI時代における基礎学力と非認知能力の関係を扱う点で、以下の書籍と同じ棚に置かれると考えられる。
・『学力の経済学』中室牧子(ディスカヴァー)
教育投資と学力の関係をエビデンスに基づき分析し、基礎学力の重要性を示した書。
・『やり抜く力 GRIT』アンジェラ・ダックワース(ダイヤモンド社)
成功要因としての「やり抜く力」を心理学的に体系化した書。
・『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』新井紀子(東洋経済新報社)
AI時代における読解力・基礎学力の課題を提示した書。
これらはいずれも、「基礎」「非認知能力」「AI時代の教育」というテーマを扱っている。
類似書との相違点
上記の類書が、主にデータ分析や理論提示によって教育課題を示しているのに対し、本書は「計算」という極めて具体的で再現性の高い学習行為に焦点を当てる。
本書の独自性は、
抽象的に「やり抜く力が大切だ」と説くのではなく、
計算を通して「やりきる経験をどう設計するか」を具体的に提示する点にある。
努力と結果の因果関係が可視化されやすい計算を、個々の習熟度に合わせて設定することで、やりきる力がどのように育ち、自己効力感へとつながり、最終的に情報を選び取る判断力へと発展していくのかを、17年以上・約2000名の現場経験をもとに描く。
また、著者自身がかつて公文式に批判的であった立場から出発しているため、単なる学習法の肯定ではなく、「なぜ基礎がAI時代において意味を持つのか」を構造的に問い直している点も、本書ならではの視点である。
理論の紹介ではなく、現場で再現可能な設計図として提示する点が、本書の最大の特徴である。
この本が売れるためにご自身ができること
• 17年の現場ネットワークへの周知:塾の保護者や卒塾生、その家族など、顔の見える範囲での確実なファンベース。
• 保護者向け講演・勉強会:日々寄せられる「学力・主体性・不安」に関する相談をもとにした、少人数・対話型の講演を通じた本の普及活動。
• 教育に携わる同業者への紹介:塾・教育関係者に向けて、「やりきる力をどのような経験で育てているか」という実践知として本書を共有し、各現場から保護者へと広がる形での紹介。
• 著者自身のSNSによる「声」:指導者として、日々親御さんの悩みに向き合ってきた経験に基づく発信による地道な周知活動。